私自身、決してこれまで順調な道のりを歩んでこられたわけではございません。いくつもの壁にぶつかり、悩み、時には挫けそうになったことも幾度となくございました。そのような時に私を支えてくださったのは、仲間の存在でした。声をかけてくださった方、そばにいてくださった方、一緒に悩んでくださった方。私は決して一人で乗り越えてきたのではなく、仲間に支えられながら、もう一度立ち上がることができたのです。
だからこそ、私は思うのです。人は、一人で生きているのではありません。支えていただくことは決して弱さではなく、支えていただいた人が、いつか今度は誰かを支える人になれるのだと。何も特別なものを持ち合わせていなかった私が、多くの方々に支えられてここまで歩んでこられたからこそ、これからはこの仕事を通じて、誰かに恩返しをしたいと考えております。それが、私が福祉の仕事に携わり続けている原点でございます。

「できない」で、その人を決めない。
介護が必要になりますと、どうしても「できなくなったこと」に目が向きがちです。もちろん支援は必要ですが、それだけでその方を見てしまいますと、今も持っていらっしゃる力までも見えなくなってしまいます。これは私たち自身にも同じことが言えます。失敗したときに「もう無理だ」と考えるのではなく、「今できることは何か」「やり方を変えられないか」「どなたかの力をお借りできないか」と考える。そうして見つかる小さな一歩を、私たちは大切にしております。
歩くこと。料理をすること。人と話すこと。好きなことを楽しむこと。誰かのお役に立つこと。そうした一つひとつの積み重ねが、「その方らしく生きること」につながっていくと、私は考えております。私たちが目指す自立支援や個別機能訓練も、訓練そのものが目的ではございません。その先にある、その方らしい暮らしを支えることこそが、私たちの目指す介護でございます。
支える職員も、最初からできるわけではありません。
利用者様お一人おひとりに可能性があるように、私たち職員も、まだまだ学び、成長していける存在だと考えています。介護の仕事を始めたばかりであれば、できないことがあって当然ですし、経験を積んでもなお、悩むことは多くございます。私自身もそうでした。だからこそ、学ぶ・実践してみる・振り返る・また学ぶという積み重ねを、大切にしていきたいと考えております。
私はこれまで、初任者研修、実務者研修、認知症介護実践者研修、認知症介護実践リーダー研修など、介護職員の教育・人材育成にも携わってまいりました。中でも、次の研修体系は、実践する立場からチームを支えるリーダーへ、そして人を育てる指導者へと段階的に成長していくことができる、よく構築された仕組みであると感じております。
実践者研修
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実践リーダー研修
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指導者養成研修
私自身も認知症介護指導者として人材育成に携わりながら、現在は東北福祉大学大学院におきまして、介護職員のキャリア形成について研究を進めております。現場で実践し、人に伝え、そこから生まれた疑問を研究し、学んだことを再び現場へ還元する。私自身も、まだ学び続けている途中でございます。

人は、支える側にも、支えられる側にもなる。
介護の世界では、「支える人」と「支えられる人」に分けて考えられがちですが、実際にはそれほど単純なものではございません。利用者様のお言葉に職員が励まされることもあれば、職員同士の助け合いも双方向でございます。私自身も、仲間に支えていただいたからこそ、今日がございます。だからこそ、利用者様だけが、あるいは職員だけが大切にされる法人ではなく、お互いの存在を認め合い、支え合いながら、ともに成長できる場所をつくりたいと考えております。
また、私は認定社会福祉士として相談援助に携わり、「ぱあとなあ神奈川」におきまして成年後見・権利擁護活動にも取り組んでおります。介護が必要になっても、認知症になっても、その方の意思や権利が尊重され、最後までご自身の人生の主人公であり続けられること。それも、私が大切にしていることでございます。
理想を追い求めたい。
介護の現場には、人手や時間が足りない、制度上できないことがあるといった現実がございます。「理想論だ」と言われることもあるかもしれません。それでも私は、理想を持つことをやめたくありません。介護が必要になっても、自分らしく生きられること。できないことだけではなく、可能性を一緒に探してくれる人がいること。そして介護に携わる人が誇りを持ち、「この仕事を選んでよかった」と思えること。私は、そうした介護・福祉をつくっていきたいと考えております。
簡単なことではないと承知しております。それでも、一度にすべてを変えることはできなくても、今日できる一歩を積み重ね、昨日より少しだけ理想に近づけていく。これからも現場で実践し、人を育て、そして自分自身も学び続けてまいります。
「ファイトがあってよかった」
理想を、ただの理想で終わらせないために。
利用者様の可能性も、働く職員の可能性も、そして自分自身の可能性も、諦めない。
何も持っていなかった私が、多くの人に支えてもらったように。今度は私たちが、誰かが一歩を踏み出すための力になりたい。
そして、利用者様、ご家族、地域の皆様、一緒に働く仲間から、「ファイトがあってよかった」そう思っていただける法人をつくっていきたいと思います。
リハビリデイサービスファイト合同会社代表社員 北村陽一
感謝を込めて
今、こうして福祉の仕事を続けられているのは、決して私一人の力ではありません。
今は亡き、デイサービス開業の修行をさせてくださった社長。ともに働き、今はそれぞれの道を歩んでいる方々。多くの刺激と学びを与えてくれた友人たち。
そして、福祉を学ぶ中でご指導くださった先生方からは、知識や技術だけでなく、「学びは、実践に生かされなくてはならない」という大切なことを教えていただきました。
私たちを信頼し、大切な暮らしについて相談してくださった利用者様とご家族からも、数え切れないほど多くのことを学ばせていただきました。
地域の医療・介護・福祉関係者の皆様、そして日々ともに支援に取り組んでくれている職員の皆さん。それぞれの専門性を持つ仲間と協働できることにも、心から感謝しています。
そして何より、私を介護の世界へ導いてくれた祖父母と、温かく育て、支えてくれた母に、心から感謝しています。
振り返れば、本当に多くの方に教えていただき、育てていただいて、今の私があります。
まだまだ学ばなければならないことばかりです。
だからこそ、この仕事を始めた頃の初心を忘れず、これからも謙虚に学び続け、目の前の一人ひとりに誠実に向き合っていきたいと思います。
そして、これまで皆さまからいただいたものを、日々の実践を通して、地域や次の世代へ少しずつお返しできればと思っています。
これまで出会い、支え、教え、育ててくださったすべての皆さまへ。
心より、感謝申し上げます。